出産後は利用しないと損!子育て支援センターとは?

初めての育児は分からないことが多い上、授乳やオムツ替え、夜泣きなどで精神的・肉体的にも辛いという人もいるでしょう。

産後は生活スタイルが変化すると同時に、他人と接する機会が極端に減るため、不安や孤独を感じるのは自然なことと言えます。

子育て支援センターは、主に市区町村が運営する施設で、育児の不安や孤独を軽減することを目的としています

とは言っても、職員から家庭の状況を聞かれるようなことはなく、親子で気軽に行ける「遊び場」として活用できます。親同士の交流地域の情報収集にも役立つため、利用するメリットは大きいと言えるでしょう。

当記事では、子育て支援センターのメリットや利用目的に合わせた選び方、合わせて利用方法とよくある質問について解説します。

子育て支援センターとは?

子育て支援センターとは、簡単に言うと親子が集まって交流できる施設です。

遊具やおもちゃ、絵本などが用意され、子供を遊ばせながら親同士が交流したり、センターの職員に育児の相談ができたりするほか、地域の子育て情報を収集できます。

子育て支援センターの拠点数は全国に4,000か所以上あり、親子が歩いて行けるよう10,000か所の設置を目指して現在も拡充しています。

子育て支援センターは、保育園や児童館に併設されている場合のほか、民家やアパートの一室などに設置されている場合もあるため、調べてみると意外と自宅の近くに開所していることも。
参考:厚生労働省「地域子育て支援拠点事業 実施のご案内」

子育て支援センターを利用するメリット4つ

子育て支援センターには下記の4つのメリットがあります。

  • ママ(パパ)友ができる
  • 育児のプロへの相談が可能
  • 子供にさまざまな遊びを経験させられる
  • 保育園・幼稚園の情報が得られる

以下では、4つのメリットについて詳しく説明します。

ママ(パパ)友ができる

子育て支援センターの目的は、子育て中に親が感じる孤独感や不安感を軽減することにあります。そのため、親子が気軽に立ち寄りやすい工夫や、交流しやすい雰囲気作りがされている点が特徴です。

「子育て支援センターで悩みを共有できるママ(パパ)友と出会えた」という話はよく聞きます。

また、特定の友人を作らなくても、その場に居合わせた保護者同士、他愛のない会話をするだけでも育児の不安や緊張は和らぐものです。

「育児中に孤独を感じる」「人見知りで公園ではほかの保護者に声をかけられない」という人ほど利用してみたいのが子育て支援センターです。

育児のプロへの相談が可能

初めての育児には不安や緊張がつきものです。子供の発達について気になることがあると、すぐにネットで調べるという人もいるでしょう。

子育て支援センターでは施設により保育士、看護士などの専門家が在籍しており、育児のプロにアドバイスを受けることも可能です。

ネットの情報は不正確なケースもあるため、子供について悩みごとがある場合には、子育て支援センターでアドバイスを受けるのも一案です。

子供にさまざまな遊びを経験させられる

遊びは、子供の好奇心を育て、心身を健康にします。

ネンネ期の赤ちゃんは基本的に自宅で過ごすことが多くなりますが、ハイハイ期以降は「お家遊びだけでは刺激が少ないかも?」と心配な保護者もいるでしょう。

一方で、小さな子供連れでの外出は何かと気を遣うことが多く、出かけるだけでも一苦労です。

子育て支援センターでは、子供が飽きずに過ごせるよう、さまざまなおもちゃやアスレチックなどが用意されています。リトミックや読み聞かせなどの企画もあり、いずれも気軽に参加することが可能です。

おむつ替えスペースや授乳スペースを用意している施設が多く、保護者側の負担も最小限で済みますよ。

保育園・幼稚園の情報が得られる

子育て支援センターでは、保護者同士が交流できたり、子供を遊ばせられるだけでなく、子育てに必要な情報を一括して得ることができます

保育園・幼稚園の情報を園のホームページやネットの口コミに頼っている人もいるかもしれません。

しかし、保育園・幼稚園は一般企業とくらべるとまだまだIT化進んでおらず、ホームページでは欲しい情報を得られないケースも多くあります。園に関する情報は、紙ベースの資料で集めるとより正確でしょう。

園の資料は、市区町村の福祉課でも扱っていますが、子育て支援センターにも置かれることがあります。子供を遊ばせるついでに資料を集め、福祉課へは質問事項をまとめてから行けば、より効率的に保活を進められますよ。

また、子育て支援センターでは、先輩ママ(パパ)から園に関する情報や生の声を聞くことができます。保活は情報収集が大切になるため、上の子がいる保護者に出会ったらいろいろと聞いてみるとよいでしょう。

利用目的に合わせて選ぶ!子育て支援センターの3つの種類

子育て支援センターとひとくちに言っても、3つの種類があり、それぞれに特徴が違います。

支援センターを利用したいと思う理由は人によりさまざま。利用目的に合わせて施設を選ぶと自分にぴったりの場所をにつけることができますよ。ここでは、子育て支援センターの3つの種類について解説します。

ひろば型

ひろば型はもともと、地域住民やNPO法人が草の根的に子育て支援活動をしていたものが原型です。

「ひろば」の名のとおり、広場のように開放的で誰でも参加しやすい点が特徴です。多くの親子が利用しやすいよう、空き店舗やアパートの一室、民家などが実施場所となっています。

ひろば型の目的は、育児指導や情報提供ではなく保護者への寄り添いにあります。

ひろば型のスタッフには親子を温かく迎えることが求められるため、施設内はアットホームな雰囲気が多く、気軽におしゃべりができたり、ときにはほかの親子と結びつけてくれたりする場合も。

一方で、ひろば型のスタッフには保育士や看護師などの資格が必要なく、子育て経験のあるボランティアスタッフなどで運営されることが多いため、子供の発達に関する相談など専門的な知識が必要なケースに応えることはできません

ひろば型の子育て支援センターは「気軽に立ち寄りたい」「子供への日々の接し方や遊び方を知りたい」という人に向いていると言えるでしょう。

ひろば型の特徴
  • 公共施設だけでなく空き店舗や空き教室、民家などでも実施されている
  • 親子への「寄り添い」が目的でアットホームな雰囲気
  • スタッフは専門的な資格がない場合がほとんど
  • 気軽に立ち寄りたい人に向いている

センター型

センター型は、子育て支援センターの3つの種類の中で、最も育児に関する総合的なサポートを受けられる施設です。実施場所は保育所等の児童福祉施設や公共施設です。

センター型では、子供の遊び場や親子交流の場を提供するだけでなく、子育てに関する情報の提供もしています。

また、ほかの子育て支援団体などとも連携しているため、育児に関して困りごとを抱えている際には、より幅広いサポートを受けることが可能です。

センター型の施設には、保育士・看護師・栄養士などで育児の専門的な指導ができる人を2名以上置くことが要件となっています。

「子供の発達で悩んでいる」「健康状態が気になる」「しつけで困っている」などの事情があれば、センター型の施設を利用し、専門のスタッフに相談するとよいでしょう。

保育園や幼稚園を探している場合も、センター型なら各園のパンフレット・資料などを置いている施設があります。どのような種類の情報を取り扱っているかは施設により異なるため、事前に確認するのがおすすめです。

センター型の特徴
  • 育児に関する総合的なサポートが受けられる
  • 子育て情報が豊富
  • 保育士・看護師・栄養士などの専門家に相談できる
  • 保育園や幼稚園の資料を得ることも可能

児童館型

児童館型はその名の通り、児童館児童センターの施設を使い、児童館職員の協力を得て運営されています。

児童館という地域に開かれた場所で子育て支援を実施することで、親子が利用しやすく、気軽に立ち寄れるようになっています。

児童館型のスタッフはひろば型と同様に、有資格者であることや専門知識を求められておらず、親子を温かく迎え入れ、子供との接し方や遊び方などの日常的な相談に乗ることが役割ですそのため、子供の発達や健康について相談したいという場合には向かないでしょう。

児童館型とひろば型との違いは、児童館には幼児から小・中学生、高校生、地域の大人などさまざまな年齢の人が出入りするため、多様な人と接することができる点にあります。

育児は一筋縄ではいかず、誰にとっても困難な仕事です。特に、乳幼児を育てていると目の前のことだけで精一杯になりがちですが、さまざまな年齢層の人を見たり、交流することで子育てを長いスパンで捉えることができます

児童館型の施設は、自分の子供の将来を想像して育児を長い目で見られたり、視野を広げられたりする場所と言えます。

児童館型の特徴
  • 児童館や児童センターが実施場所となる
  • 育児に関する専門的な指導・アドバイスはできない
  • 乳幼児から小・中学生、高校生、大人まで多様な人と交流できる
  • 子育てを長いスパンで捉えられ、視野が広がる

子育て支援センターの利用は無料?利用方法は?

子育て支援事業の実施主体は基本的に市区町村であるため、子育て支援センターの利用料は無料のケースが多いと言えます。

一部の施設では、必要経費として利用料を保護者から徴収する場合がありますが、子育て中の親の孤独や不安を解消するという事業目的から、有料の場合でも数百円などリーズナブルなことがほとんどです。ただ、託児などのサービスを利用する場合には別途の費用が必要となります。

利用方法は、原則的には事前予約などの必要がなく、受付で必要事項を記入すれば利用可能です。(新型コロナウイルス感染症対策として一時的に予約制としている場合があります。)

事業主体となる市区町村に居住していなくても利用可能とする場合も多いため、少し足を伸ばして近隣市町村の支援センターを利用することも可能です。

利用時間は9~17時など、午前中から夕方までの時間帯です。平日だけでなく、土日も開所している施設もあります。詳細は施設により異なるためあらかじめ確認しましょう。

利用方法
  • 利用料は基本的に無料(一部有料)
  • 予約不要の場合がほとんど
  • 実施主体の市区町村に居住していなくても利用可能な場合が多い
  • 利用時間は9~17時など午前中から夕方まで

子育て支援センターQ&A

初めて子育て支援センターを利用する人の中には、分からないことが多く不安を感じる人もいるでしょう。ここでは、子育て支援センターについてよくある質問に回答します。

Q:子育て支援センターを利用する際の持ち物は?

A:オムツ、おしりふき、ごみ袋、飲み物、タオルなどを持ちましょう。たくさん遊んで汗をかくことも多いので、予備の着替えがあると安心です。

Q:子育て支援センターで気をつけることはある?

A:貴重品の管理は自己責任になります。トラブルを避けるためお財布はポシェットに入れて持ち歩くなどしましょう。また、子育て支援センターは多くの人が利用するため、子供が風邪などの感染症にかかる場合があります。大事な予定の数日前には利用を控えるなど工夫して利用するとよいでしょう。

Q:スタッフに育児相談はできる?

A:センター型の施設では保育士・看護師などの専門的なアドバイスができる職員を2名以上配置することが要件になっています。子供の発達や健康に関する相談はセンター型施設を利用するとよいでしょう。子供との遊び方など日常的な相談は、有資格者以外のボランティアスタッフでも応じてくれるます。

Q:子供を預けられる?

A:すべての施設ではありませんが、託児サービスを行っている施設もあります。託児サービスは別料金とするケースがほとんどですので、各施設に問い合わせましょう。

Q:人見知りでも大丈夫?

A:子育て支援センターは親子を温かく迎えることを目的としています。施設内はどのような親子でも落ち着いて過ごせるように工夫され、スタッフが声をかけてくれることも多いです。そのため、人見知りでも馴染みやすいでしょう。施設により雰囲気が異なるので、複数の施設を見学し、自分に合った施設を利用するのがおすすめです。

まとめ

子育て支援センターとは、親子が集まって交流できる施設です。

交流だけでなく、さまざまなおもちゃや遊具で子供を遊ばせながら、育児相談情報の収集もすることができます。

子育て支援センターはひろば型・センター型・児童館型の3種類があり、それぞに職員の専門性や特徴が異なるため、利用目的に合わせて使い分けるとよいでしょう。

子育て支援センターは午前中から夕方までの時間帯で開所され、利用は基本的に無料です。予約不要とする場合がほとんどですが、予約制の施設もあるため事前に確認すると安心です。

子育て支援センターは親子が楽しく安心して過ごせるよう、さまざまな工夫がなされています。おうち遊びと公園遊びしかしたことがないという人も無理のない範囲で子育て支援センターを利用するとよいでしょう。